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我が心と身体が捉えた美について

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行ってまいりました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 入口 看板
ファッションにとどまらず様々なプロダクト・デザイナーとして世界的に知られるポール・スミス(Paul Smith)のキャリアの始まりから現在に至るまでの業績を辿ることのできる今回の展覧会。京都会場からの巡回展になります。
入口でチケットを切ってもらうと半券を返されると同時に来場者プレゼントとしてピンク色のイヤホンを手渡されます。これを使用して音声解説を聞いてみてくださいとのこと。
実は会場内の壁の所々にQRコードが設置されており、スマートフォンのバーコード・リーダーをかざすと、
その付近の展示物にちなんだ音声解説を無料で聴くことができます。メイン解説者は俳優の松田翔太氏。若々しくも落ち着いたナレーションで華やかな会場の雰囲気にとても合っていました。
さらに嬉しいことに館内の撮影は自由。展示物が少ないかなと感じつつも、Paulの創作の秘密を体感し、それを心の中に持ち帰ることができる展覧会だと思います。

入口を入ってまず驚くのが、会場の奥にまで続くアート・ウォール(Art Wall)。
これはPaulのオフィスの壁のほんの一部を再現したものだそうです。額装された絵や写真が壁一面に飾られています。そのコレクションは彼が10代の頃からのものだとか。著名な画家や写真家の作品もあれば、ポールのオフィス宛てに届けられた無名のアーティストの絵や写真まで分け隔てなくランダムにレイアウトされた作品群が色彩の洪水のように観る者に迫ってきます。
ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール02


ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール02

ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール01

ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール03
アート・ウォールを抜けると、その先にあるのはポール・スミスが最初に構えた店舗「1号店」を再現した白塗りの小部屋へ。本当に小さなスペースで、窓もなく、「店」というより「房」ですね。ここから世界的なブランドがスタートしたのかと思うと何ともいえない感慨が胸に押し寄せます。室内の壁にはビジネス・パートナーであり奥さんのポーリーンと笑顔で写るポールの写真が展示されています。彼女の存在なくしては今のポールの成功はなかったと彼は言います。今回の展覧会も実は愛するポーリーンに捧げたもの。天才の影にはやはりその存在を輝かせる素晴らしいパートナーがいるものなのですね。
ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示03

ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示02

ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示01
「1号店」を抜けると、その先には現在のロンドン、コヴェントガーデンにあるポールのデザインスタジオを再現した展示が目の前に現れます。
整理整頓とは無縁とも言える雑多なモノで溢れかえるオフィスです。まるでオモチャ箱をひっくり返したような賑やかさ。ポールがよく使う言葉に「アイデアはどんなところからでも生まれてくる」というものがあります。この一見何の脈絡もないモノが乱雑に積み上がったカオス状態の室内ですが、よく観てみると新たなデザインの着想を得るための宝庫であることがわかってきます。ポールが目にしたもの、興味をひかれたもの、それぞれのモノ達が彼の頭の中で溶け合い、化学反応を起こすことで斬新なデザインが生まれてくるわけですね。整理整頓の行きとどいた仕事場だからといって必ずしも素晴らしいデザインが生まれてくるわけではない。むしろその逆もあり得る。仕事の仕方は本当に人それぞれなのだなと実感させてくれる展示です。
ポール・スミス展 上野の森美術館 オフィス アトリエ01

下の写真は「ポールの頭の中」を再現した展示。
壁に複数のモニターと鏡を設置し、頭上のスピーカーからは自らのデザインについて語るポールの声。モニターにはポールが父親からカメラを贈られた11歳の頃から撮り溜めている写真の数々が映し出されます。その鮮やかな色彩が鏡に反射してまるで万華鏡の中に入り込んだような不思議な空間を生み出しています。必見です。
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景02 鏡
ポール・スミス展 上野の森美術館 オフィス アトリエ02

会場の奥にはお馴染みのカラフルなストライプを施した車も展示されていました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 デザイン 車

直筆のデザイン画も一部ですが展示されていました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 デザイン画

こちらはポールの最初の「ショールーム」となったパリのホテルのベッドルームを再現した展示。この展覧会に合わせてポール・スミス社が特別に制作したものだそうです。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ベッドルーム

2階に上がると、ポールが服飾だけにとどまることなくコラボレートした様々な製品が展示されています。ポールがコラボを行うかどうかの決め手はお金になるからではなく、面白そうかどうかだそうです。どのデザインもポールらしい色彩と遊び心に溢れています。
ポール・スミス展 上野の森美術館 バイク

こちらはポールのオフィスに届けられた数々の贈り物(?)を展示したもの。
よく観ると三輪車やボディーボードに切手が貼り付けられています。梱包しなくても送料分の切手さえ貼ってあれば配達してくれる海外の郵便サービスに驚きです。その「贈り物」を律儀に保管しているポールのオフィスも驚きですが。
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ バッグ

デヴィッド・ボウイとのコラボ。
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ボウイ LP
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ボウイ Tシャツ

ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ01
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ02
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ02
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ03

ソースのパッケージまであります。
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ソース
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ シャツ

ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ エヴィアン
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ラジオ
ポール・スミス展 上野の森美術館 腕時計

腕時計の展示の裏側には世界各国のポール・スミス社の店舗デザインの多様さを比較した展示と、その向かい側には一面ボタンが貼り付けられた壁が。普段見慣れたボタンもアイデアひとつでこのような素晴らしい極彩色のアートになるのですね。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁01
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁02
近づいてみると、やはりボタンです。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁03


会場の最後はポールがパリで行ったファッション・ショーの映像が流され、その向かい側に彼のデザインした服が展示されていました。服はハンガーに吊るされたりマネキンに着せたものがまとめて展示されていたのですが、手前に柵があるために近くで観ることができません。会場のスペースの都合もあるのかもしれませんが、この展示の仕方はもったいない気がしました。それにショーの様子を映したモニターの前に人が立ち止まってしまうために通路が塞がり、通過するのに困難でした。せっかくの展覧会の締めなのですから、もう少し人の動線をしっかり考えた展示をお願いしたいなあと少し残念な気持ちに……。展示物が素敵だっただけに。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ファッション
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景 Good bye
展覧会場の最後には大きな付箋があり、そこにはポールのよく使う言葉である「Everyday is the new beginning.」が記されています。毎日を新鮮な気持ちで生きてこそ、素敵なデザインも自然と生まれてくる。ポールから我々への最後のメッセージ。確かに受け取りました。

ご興味を抱かれた方は是非。

ポール・スミス展公式サイト
http://paulsmith2016.jp

行ってまいりました。
アンリ・ルソー展 2016 オルセー美術館 ポスター
5月の連休を利用してパリの美術館をめぐってまいりました。
その旅の様子はのちほど語らせて頂くことにいたしまして、
今回はオルセー美術館で現在開催中(2016年3月22日〜7月17日まで)のアンリ・ルソー展の模様をお伝えしたいと思います。

幸いなことに旅行中は晴天に恵まれ、
オルセーを朝(8時半ごろ)に訪れた際もすっきりとした青空が広がっていました。
オルセー美術館 外観 セーヌ川
美術館正面に掲げられたオルセーのロゴとルソー展の看板。
雲ひとつない青空と眩しい陽射しの下、
オレンジとグリーンが鮮やかに映え、期待に胸が高鳴ります。
オルセー美術館 正面

まだ開館時刻(9時半)まで40分ほどありましたが、すでにかなりの人々が入口前で列をつくって開館を待っていました。さすがルーヴルに次ぐパリの人気美術館ですね。
入館口は左手からA~Dまで分かれているのですが、
ミュージアム・パスを購入済みだった私は右端Dの優先入口へ並びました。
パリ・ミュージアム・パス 4日間用 表紙
こちらが「パリ・ミュージアム・パス(4日用)」です。財布のポケットに入れていたためにボロボロですが。
ご存知の方も多いと思いますが、こちらのパスを所持していれば有効期間中(2日用、4日用、6日用の3種類。いずれも連続した日数により使用可。)はパリの主要な美術館や博物館、観光名所が利用し放題になります。(ただし、美術館は常設展のみ有効の場合が多い。企画展は別途料金が必要な場合もあるので注意。)パリの美術館めぐりには必須のアイテムです。
日本でも購入できます。
現地で買おうとすると場所によっては売り切れている場合もあるので、
パリ旅行は初めてという方や現地でフランス語を駆使して購入するのは不安という方は
あらかじめ日本で購入していく方が安心かもしれません。
以下のサイトで購入できます。
http://www.parismuseumpass-japon.com

さて、ようやく開館時刻となり、列が前へ動き始め、観覧客が次々と回転ドアの奥へと入っていきます。その流れに従って館内へ。
入って直ぐ正面に荷物検査のゲートが2列、設置されていました。
日本の美術館に慣れきっていた私は、
荷物検査といってもバッグの中身をチラリと見せるくらいだろうと高を括っておりました。
ところが目の前に設置されているのは空港のような本格的な金属探知機のゲート。
財布やら腕時計、スマートフォンなど身につけていた貴金属はすべて外してトレーに載せ、係員に差し出します。
ここでちょっともたつくと強面の男性職員に「携帯電話は? 全部だ、全部出すんだ!」と
高圧的に言われ、正直少しムッとしました。
まぁ、毎日同じようなことを言い続けているのでしょうから嫌気がさすのは分かりますが、
お客さんにむけてその態度はないだろうと内心毒づきながらゲートを通過しました。
皆様も態度の悪い係員がいても、ここはグッと堪えて穏便に指示に従いましょう。
とにかく我々の目的はゲートの先にある素晴らしい芸術品の数々を鑑賞することで、
係員と無駄な言い争いをする時間と労力は残されていません。
とはいえ、日本の美術館職員の接客マナーの素晴らしさとつい比較してしまうわけですが。

気を取り直して、さっそく企画展示スペースにて開催されている「ルソー展」へ。
以下は入口に置いてあった無料配布の冊子です。
中には今回の展覧会の概要と展示見取図が記されていました。
ちなみにこちらはフランス語版。英語版はありましたが、日本語版はありませんでした。
アンリ・ルソー展 Le Douanier Rousseau 2016 冊子

「税官吏ルソー」と名付けられた今回の展覧会。
ご存知の通り、ルソーは41歳で本格的に画家として人生を歩む以前は「税官吏」として働きながら趣味で絵を描くいわゆる「日曜画家」でした。果敢にサロンへ作品を出品するも、その独学による自由な画風から当時の保守的な鑑賞者や批評家からは酷評され、散々こき下ろされました。
その当時としては異色かつ遅咲きの画家のデビューから晩年までを作品を通して辿ることのできる展覧会の構成となっています。

《戦争》と題された作品もルソーが描くとどこかノスタルジックかつファンタジックに。
画集などでは何度か目にしてはいましたが、実物は鮮やかな色彩が目を引きました。
アンリ・ルソー展 2016 オルセー美術館 ポストカード 戦争

そして、なんといっても《蛇使いの女》と題された絵の放つ色彩と神秘に心を奪われました。
この絵が観たくてオルセーに来たといっても過言ではありません。
深く澄んだグリーンのグラデーション……空に浮かぶ銀色の満月……。
さざ波のたつ水辺のほとりで蛇を首に巻いた褐色の肌の女が静かに笛を吹く。
その笛の音に誘われるように密林の中から姿を現わす大蛇……。
この絵に描かれた森は息づいています。
時を忘れて絵の前に佇んでいると、自分がいつしか絵の中の密林に彷徨い込み、
蛇使いの女の奏でる調べに心を奪われてしまっているかのような錯覚を起こします。
アンリ・ルソー展 2016 グッズ ポストカード 蛇使いの女

さらに今回の展覧会の目玉ともいえるもう一つの傑作。
ニューヨーク近代美術館所蔵の《夢》です。
まさに画家自身の心の中に広がる原色の森をキャンバスに描き出したといえる素晴らしい絵画でした。
アンリ・ルソー展 2016 オルセー美術館 ポストカード 夢

会場を出た先がグッズ売場となっていました。
さっそくポストカードを購入。
アンリ・ルソー展 2016 オルセー美術館 グッズ ポストカード
さらに以下のペーパーウェイト(19ユーロ)の美しさに心惹かれて思わず購入しました。
アンリ・ルソー展 2016 オルセー美術館 グッズ ペーパーウエイト


ご興味を抱かれた方は是非。

オルセー美術館公式サイト
http://www.musee-orsay.fr/en/home.html



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パリ旅行のお供に是非。



下記YouTubeサイトにて本の紹介動画も公開中です。

行ってまいりました。
ルノワール展 チラシ ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
ピエール・オーギュスト・ルノワールの傑作として名高いオルセー美術館の至宝、《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》が初来日ということでさっそく鑑賞に伺いました。

画家の初期から晩年までの歩みを作品を通して辿ることのできる今回の展覧会。
一人の画家の絵を描くことに対する飽くなき情熱と探求を感じることのできる構成となっていました。

ルノワールという画家は正直に申し上げまして
私自身、それほど好きな画家ではありませんでした。
明朗で平和な画面は確かに観ていて清々しく美しくはあるのですが、
芸術特有の甘美かつ妖しい毒気がないというか、いまいち中毒性に欠けるというか……。

ゴッホのような深い孤独と哀切も、ゴヤの《我が子を喰らうサトゥルヌス》のような人間の心の闇に巣食う獣性も
ルノワールの創り出す絵画には皆無です。
「後ろめたいこともなく老若男女が安心して観ることのできる健全な絵」という印象でした。

もちろん「明朗かつ健全な絵」という印象は今も変わらないのですが、
邪悪さや毒性を画家自身があえて作品から除去しているという事実を知ったことで、
自身の浅いモノの観方を大いに恥じると同時にルノワール作品の印象がガラリと変わりました。

「世の中は辛く悲しいことばかりだ。だったら絵画が楽しく、幸福に満ちていて何がいけない?」
そのような主旨のことをルノワールは言っています。
ルノワール自身も40代後半からリウマチに体を蝕まれ、晩年は車椅子での生活を余儀なくされ、
動かなくなった手に絵筆を括りつけて創作を続けたといいます。

「幸福に満ちた作品」を創作している人の人生が必ずしもその通りであるとは限らない。
むしろ逆であることの方が多いのかもしれません。
創作活動の奥深さというものをルノワールに教えられました。

さて、今回の展覧会に話を戻したいと思います。
何といってもまずはお目当ての《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》。
会場は連休初日にもかかわらず空いていたので、入口から順番に鑑賞してもよかったのですが、
一番観たい作品を目指して一直線に館内を進みます。
ルノワール展 ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
今回、実物をはじめて目にしたのですが、まず感じたのが「青が美しい」ということ。
画面の所々に落ちた木漏れ日の美しさは言わずもがなですが、
明るい陽光の下で開かれた舞踏会の賑わいを描きだす画面が所々に配置された人々のまとう服の青のヴァリエーションによって引き締まり、美しい調和をなしていました。
人物配置も一見雑多に見えて、中央にいる人物の形成する三角形の安定した構図やあえて画面を途中で断ち切ることで奥行きを表現するなど、鑑賞者の視線を自然に絵の中へ誘導するような高度な計算が随所に見られます。まさに名画と言われる所以ですね。

その向かいの壁には、二枚の大作(本来は三枚連作)の《都会のダンス》、《田舎のダンス》が展示されていました。
ルノワール展 都会のダンス 田舎のダンス
これらの絵画は《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》に観られるような印象派特有の光の表現はなく、古典主義的な手法で描かれています。この時期、ルノワールは自身の芸術に行き詰まりを感じていました。人物画家のルノワールにとって、印象派の光の表現では人物が背景の中に溶け込んでしまい、存在感と肉感をもった人物を描くことが難しいことに苦悩を深めていたといいます。この《ダンス》連作はルノワールにとって、自身の絵画表現の転換期となる記念すべき作品です。
これから鑑賞に行く皆さまも《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》との表現法の違いを是非お楽しみください。

ちなみにこの二人の女性のモデルですが、
左の《田舎のダンス》の扇子片手に楽しげに微笑む女性は当時ルノワールと恋仲であり、後に妻となるアリーヌ・シャリゴがモデルと伝えられています。
一方の《都会のダンス》で洗練された白いドレスをまとう美女は後にユトリロを産む恋多き女、シュザンヌ・ヴァラドン。ルノワールは彼女の才能と美貌の虜だったといいます。
一説によれば、《田舎のダンス》のモデルもシュザンヌだったとか。アリーヌがあまりに嫉妬するので、ルノワールが仕方なく(?)アリーヌの顔に描き替えたといいます。
そういうエピソードの下に絵を観ると、たしかに《田舎のダンス》のアリーヌの微笑みが少し得意げに見えてくるから不思議です。

会場の奥に行くにしたがって、ルノワールの描く日常の美しい瞬間が次々と現れます。
ルノワール展 ピアノを弾く少女たち

会場の最後には、病に体を蝕まれながらも画家が最晩年に描き上げた大作《浴女たち》がお目見え。
自身の人生がどんなに辛く悲しい状況にあろうとも、ルノワールの筆から明朗かつ幸福な輝きが失われることはありませんでした。
ルノワール展 浴女たち

鑑賞後はグッズ売場へ。
今回の展覧会に合わせて製作された図録、箱入りのお菓子、猫のぬいぐるみ、マグネット、マスキングテープ、ポストカード、クリアファイル、一筆箋、ルーペ、ミニキャンバス、コップのフチ子さんとコラボしたミニフィギュアなどが目に留まりました。

その他には、《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》の世界に入り込んだような360度のヴァーチャルな3D空間を体感できる「ハコスコ」という商品が販売されていました。売り場には同製品のサンプルも展示されていて、体験版を試すこともできます。

結局、定番のポストカードを購入しました。
前売り券の特典である《ジュリー・マネ》の猫をイメージしたぬいぐるみも売場レジにて引換券と交換しました。
オルセー ルノワール展 グッズ ポストカード ぬいぐるみ


ご興味を抱かれた方は是非。

ルノワール展 公式サイト
http://renoir.exhn.jp/

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行ってまいりました。
MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事 チラシ

衣服を着るとは「一枚の布をまとう」ことであるというコンセプトのもとに
三宅氏は今日に至るまで自らのデザインを追求してきました。

それは「服」という我々にとっての日用品、工業製品でありながら、
氏の高い志を具現化したアートでもあります。

今回の展覧会では「三宅一生の仕事」と題して、
氏のデザイナーとしての今日に至るまでの歩みを辿ることのできる
三部構成となっています。

展覧会の開催に合わせて、
スマートフォン用のアプリ(無料)とオーディオガイド(500円)が
配信されています。

オーディオガイドは会場の外でも解説を楽しむことができるので、
改めて展示作品をを振り返る際に便利です。

下記はアプリ(Android用)のトップページです。
MIYAKE ISSEY展 アプリ トップページ

アプリを起動して展覧会のチラシに向けると、三宅氏の服を纏ったヴァーチャル・モデルが現れ、
様々なポーズをとります。
下記のように写真撮影も可能です。
MIYAKE ISSEY展 アプリ チラシ 3D ヴァーチャル モデル

展覧会のサイトに表示されたチラシ見本でも読み取れました。
MIYAKE ISSEY展 アプリ チラシ 3D ヴァーチャル
会場に入ると、三宅氏の作り出す色彩と形の独創性と美しさに圧倒されました。

「一枚の布」というコンセプトを頑ななまでに真摯に追求すると、
見慣れているはずの衣服も芸術となるのだなと深く感動しました。

馬の尾の毛を用いて作られた服はまるで風を含んだ羽衣のように
緩やかな襞をつくりつつマネキンの身体を軽やかに包んでいます。
服の向こうに尾をなびかせて草原を疾走する馬の姿が浮かんできました。

他にも会場内には
最新のテクノロジーを用いて作られた一本の糸から直接作られる服や
プリーツを織る機械が設置され、実演もされています。

中でも「132 5. ISSEY MIYAKE」と題された服には驚きました。
折りたたむと星形や五角形などの一枚の布になるのですが、
人間の身体が纏うと立体的な衣服が立ち現れてきます。
まさに三宅氏が追求してきた「一枚の布を纏う」というコンセプトとテクノロジーが
融合したアートと言えます。
ちなみにタイトルの「132 5」という数字は、
「1」が一枚の布、「3」が衣服としての三次元立体構造、「2」は畳まれた平面、
「5」は身に纏うことにより時間と次元を超えた存在になることを意味しているそうです。
こちらの「132 5」シリーズの展示の傍には、
VTRの手順を参考にしながらミニチュアの服を小さなマネキンに着せることができるコーナーが設けられています。折り畳まれた一枚の布が立体的な美しい服に変化する不思議を実体験してみると新たな感動が生まれるかもしれません。

会場の出口付近には三宅氏の服を使った映像作品も上映されています。
壁一面の巨大スクリーンに投影されているのですが
思わず時を忘れて見入ってしまうほどにシュールで美しい作品です。

展覧会場の外のショップでは、
図録やTシャツ、バッグ、缶バッチ、ハガキなどのグッズが売られています。
図録とハンカチを購入しました。
MIYAKE ISSEY展 図録 カタログ

MIYAKE ISSEY展 グッズ ハンカチ

ご興味を抱かれた方は是非。

三宅一生展公式サイト
http://2016.miyakeissey.org

行ってまいりました。
カラヴァッジョ展 国立西洋美術館 入口 ポスター


今回の展覧会の目玉は大きく2点。
【その1】
我が国過去最多のカラヴァッジョの傑作10点が一堂に会すること。
【その2】
さらに、カラヴァッジョが殺人を犯し、逃亡の果ての死の直前まで所持していたという遺作《法悦のマグダラのマリア》が世界初公開となること。

国立西洋美術館は金曜日だと20時まで開館しています。
美術館には19時くらいに到着したのですが、
館内は程よく空いていて、
最終入館時刻である閉館30分前になると、入口付近は貸し切りかと思うほどのガラ空き。《女占い師》《トカゲに噛まれる少年》《ナルキッソス》《果物籠を持つ少年》《バッカス》《エマオの晩餐》などの名画の数々を独り占め状態に。
閉館時刻ぎりぎりまで堪能してまいりました。

館内に入るまでは正直に申し上げますと、それほど期待していなかったのですが、出だしの《女占い師》から始まって、カラヴァッジョ作品は本当に傑作揃いです。「おおっ、これも来日したのか!」と驚きと鳥肌の連続で、鑑賞時間が1時間ではとても足りないことが悔やまれました。

ギャラリーの所々には、カラヴァッジョの絵画技法に影響を受けた後世の画家達(カラヴァッジェッスキ)の作品も展示されています。
「蝋燭の画家」として名高いラ・トゥールの作品も展示されていました。

木製の楯にカンヴァスを張り、その上にメドューサの首が描かれた作品も秀逸でした。
大きく見開かれたメドューサの目には神話に登場する英雄ペルセウスの楯のように見たものを瞬時に石に変えてしまうような不気味な魔力が満ちていました。

さて、最後の展示室に展示されていたのは、
今回世界初公開となる《法悦のマグダラのマリア》です。
閉館時刻が迫っているというのに、観覧者が絵の前に立ち、誰もがなかなか離れようとしません。
その絵は強烈なインパクトから、鑑賞者の目を一瞬にして虜にします。
まず、なんといっても目が吸い寄せられるのは、そのマリアの恍惚ともいえる官能的な表情です。肌は死人を思わせるように青ざめています。その白いドレスの腹部は妊娠の兆候を暗示しているかのようにふくよかです。暗い背景にはぼんやりとした光が射し、身に纏うマントの血のように深い赤と対比をなして画面全体を神秘的な雰囲気に包んでいます。
官能的でありながら、どこか恐怖を感じさせる不思議な美しい絵画です。

カラヴァッジョ展 国立西洋美術館 グッズ ポストカード

最後にグッズ売場にてポストカードを購入。
図録も気になったのですが、中身を読む時間はなく、あえなくタイムアウト。
会期中に是非もう一度訪れたいと思わせる展覧会でした。
ちなみに写真右上のチケットは、
常設展が現在閉室とのことで配布された無料観覧券です(2016年3月19日から6月12日まで有効)。3月19日以前に特別展を観覧した方には同じく配布されると思われます。

実は混み合う特別展よりも、常設展の方が心静かにじっくり美を鑑賞できて嬉しかったりします。
なかなか見ごたえのある良いコレクションも揃っていますし。


ご興味を抱かれた方は是非。

「カラヴァッジョ展」公式サイト
http://caravaggio.jp

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