行ってまいりました。
ポンピドゥーセンター傑作展 東京都美術館 チラシ
ポンピドゥーセンター傑作展 東京都美術館 入口 看板
ポンピドゥーセンター傑作展 東京都美術館 入口 ポスター

今年の5月の連休中に実際のポンピドゥー・センターを訪れたばかりだったのですが、
東京都美術館が果たしてどのような展示を行うのかと半ば興味本位で観覧してまいりました。

うーむ、やはり実際の場を体験した後ではどうしても物足りなさを感じざるを得ない、というのが素直な感想です……。
「傑作展」とはいえ、今回展示される作品数は70点のみ。
1906年から77年までを象徴する傑作を1年に1作家1作品のみ展示するという思い切った構成です。

本場のヴォリュームと内容とは比較にならないとはいえ、20世紀モダン・アートの流れを把握するにはとても見やすく分かりやすい展覧会だと思いました。
展示数が少ない分、作品のひとつひとつにじっくり時間をかけて鑑賞できるので、作品の新たな魅力に気づくことができるかもしれません。

中でも私のお気に入りの絵画はやはりベタなのですが、シャガール《ワイングラスを掲げる二人の肖像》、ピカソの《ミューズ》、マティスの《大きな赤い室内》といった作品でした。
立体作品ではブランクーシ《眠れるミューズ》、アレクサンダー・カルダー《4枚の葉と3枚の花びら》が秀逸だと感じましたが、ジャン・アルプやジャコメッティの作品はパリで見た作品に比べてサイズがとても小さく、思わず「小さいなぁ……」とがっかりしてしまいました。まあサイズが大きければ傑作というわけではないですが、やはりインパクトに欠けてしまいますよね。

それから、もう一つ、映像作品で素晴らしい傑作と出逢うことができました。
クリス・マルケルの「ラ・ジュテ」という短編作品です。
28分ほどのモノクロ・35ミリフィルムのサイエンス・フィクション映画なのですが、
映像はほとんど静止画で、写真を繋げたような場面構成です。舞台は世界大戦後の荒廃したパリという暗く物悲しい近未来。ある男が自らの記憶を頼りに戦争前の平和な過去へとタイムスリップする実験の被験者として志願します。彼が過去の世界で見たものとは……。
技術的には当然ながら古い映画なので未熟なものですが、そのストーリー展開と演出の巧みさに思わず引き込まれて最後まで鑑賞してしまいました。
鑑賞後もそのストーリーについてずっと考えてしまうほど詩的で深い映画です。
テリー・ギリアムの「12モンキーズ」の原案になったことでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

出口付近にはレンゾ・ピアノの設計したポンピドゥー・センターの模型と建設中の映像が流されていましたが、これもやはり実際の建物を目の当たりにしないことにはいまいち感動がありません。
以下は今年の5月にパリで撮影した実際のポンピドゥー・センターの建物です。ご参考までに。
ポンピドゥー・センター 外観 パリ

さて、鑑賞後はグッズ売り場へ。
ポストカードを購入しました。
ポンピドゥーセンター傑作展 グッズ ポストカード

さらにチケットが月別のグッズ引換券付きだったため、レジにてグッズと交換しました。6月のグッズは表紙にポンピドゥー・センターがプリントされた文庫サイズのノートです。ノートの隣にあるのは会場限定のアクリル・キーホルダーのガチャガチャ。ジャン・デュビュッフェの《騒がしい風景》が出ました。
ポンピドゥーセンター傑作展 グッズ ノート キーホルダー

図録は買おうか迷ったのですが、中を見ると会場にも展示されていた各作家達の言葉が作品とともに掲載されていたので購入しました。
ポンピドゥーセンター傑作展 グッズ 図録 カタログ


ご興味を抱かれた方は是非。

ポンビドゥー・センター傑作展公式サイト
http://www.pompi.jp/

この度、パリの美術館案内をAmazon Kindleにて出版致しました。
パリ旅行のお供に是非。



下記YouTubeサイトにて本の紹介動画も公開中です。