行ってまいりました。
カラヴァッジョ展 国立西洋美術館 入口 ポスター


今回の展覧会の目玉は大きく2点。
【その1】
我が国過去最多のカラヴァッジョの傑作10点が一堂に会すること。
【その2】
さらに、カラヴァッジョが殺人を犯し、逃亡の果ての死の直前まで所持していたという遺作《法悦のマグダラのマリア》が世界初公開となること。

国立西洋美術館は金曜日だと20時まで開館しています。
美術館には19時くらいに到着したのですが、
館内は程よく空いていて、
最終入館時刻である閉館30分前になると、入口付近は貸し切りかと思うほどのガラ空き。《女占い師》《トカゲに噛まれる少年》《ナルキッソス》《果物籠を持つ少年》《バッカス》《エマオの晩餐》などの名画の数々を独り占め状態に。
閉館時刻ぎりぎりまで堪能してまいりました。

館内に入るまでは正直に申し上げますと、それほど期待していなかったのですが、出だしの《女占い師》から始まって、カラヴァッジョ作品は本当に傑作揃いです。「おおっ、これも来日したのか!」と驚きと鳥肌の連続で、鑑賞時間が1時間ではとても足りないことが悔やまれました。

ギャラリーの所々には、カラヴァッジョの絵画技法に影響を受けた後世の画家達(カラヴァッジェッスキ)の作品も展示されています。
「蝋燭の画家」として名高いラ・トゥールの作品も展示されていました。

木製の楯にカンヴァスを張り、その上にメドューサの首が描かれた作品も秀逸でした。
大きく見開かれたメドューサの目には神話に登場する英雄ペルセウスの楯のように見たものを瞬時に石に変えてしまうような不気味な魔力が満ちていました。

さて、最後の展示室に展示されていたのは、
今回世界初公開となる《法悦のマグダラのマリア》です。
閉館時刻が迫っているというのに、観覧者が絵の前に立ち、誰もがなかなか離れようとしません。
その絵は強烈なインパクトから、鑑賞者の目を一瞬にして虜にします。
まず、なんといっても目が吸い寄せられるのは、そのマリアの恍惚ともいえる官能的な表情です。肌は死人を思わせるように青ざめています。その白いドレスの腹部は妊娠の兆候を暗示しているかのようにふくよかです。暗い背景にはぼんやりとした光が射し、身に纏うマントの血のように深い赤と対比をなして画面全体を神秘的な雰囲気に包んでいます。
官能的でありながら、どこか恐怖を感じさせる不思議な美しい絵画です。

カラヴァッジョ展 国立西洋美術館 グッズ ポストカード

最後にグッズ売場にてポストカードを購入。
図録も気になったのですが、中身を読む時間はなく、あえなくタイムアウト。
会期中に是非もう一度訪れたいと思わせる展覧会でした。
ちなみに写真右上のチケットは、
常設展が現在閉室とのことで配布された無料観覧券です(2016年3月19日から6月12日まで有効)。3月19日以前に特別展を観覧した方には同じく配布されると思われます。

実は混み合う特別展よりも、常設展の方が心静かにじっくり美を鑑賞できて嬉しかったりします。
なかなか見ごたえのある良いコレクションも揃っていますし。


ご興味を抱かれた方は是非。

「カラヴァッジョ展」公式サイト
http://caravaggio.jp