行ってまいりました。
黒田清輝展 チラシ
生誕150年 黒田清輝展 東京国立博物館 看板
生誕150年記念ということで、黒田の画業の始まりから絶筆にいたるまでを作品を通して辿ることのできる今回の展覧会。
我々の多くが美術の教科書で見た記憶のある《読書》や《湖畔》が有名ですが、実物を鑑賞したことがある方は意外と少ないのではないでしょうか。
私もそのひとりでした。
画集や教科書で何度か目にしたことのある作品というものは、どこかわかったような錯覚を起こして、今さらわざわざ見なくても……という気になってしまいますよね。
しかし、この《湖畔》という作品、実物は「匂いたつ」ような色香を放つ美しい名画でした。
淡い色調で統一された画面からは湿気を帯びた夏の夕暮れに湖面をわたるそよ風や水の匂い、夕涼みの女性(後に黒田の妻となる照子)が放つ清潔感漂う艶やかな色気が一体となって、観る者を絵の中へ引き込みます。
以下は購入したポストカードの写真です。
黒田清輝展 ポストカード 湖畔

さらに私が心を奪われた一枚は戦火により焼失した大作《昔語り》からの習作。男に甘える舞妓のさりげなくも可愛いしぐさがよくとらえられています。
完成した実物を目にできないことが何とも残念です。
黒田清輝展 ポストカード 昔語り 舞子

展覧会の最後は、あの謎多き《智・感・情》の三美神が迎えてくれます。
こちらも実物を目にしたのは初めてでしたが、金地にくっきりとした臙脂色の輪郭線で縁取られた三人の裸婦の有無を言わせぬ肉体美にただ圧倒されます。
以下はチラシに掲載されていた写真です。
黒田清輝展 チラシ内 《智・感・情》

鑑賞後はグッズ売場にてポストカードを購入。
日本近代絵画の礎を築いた重鎮の名画を堪能できる充実した内容の展覧会でした。
黒田清輝展 グッズ ポストカード



ご興味を抱かれた方は是非。

黒田清輝展 公式サイト
http://www.seiki150.jp