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我が心と身体が捉えた美について

カテゴリ: アート探訪

行ってまいりました。
ダリ展 ポスター 国立新美術館 2016

そのデビューから晩年に至るまでの作品250点あまりが一堂に会した今回の「ダリ展」。
我が国ではおよそ10年ぶりの回顧展となり、過去最大規模ということで期待が高まりました。
その展示作品も名高いシュルレアリスム絵画にとどまらず、オブジェ、ジュエリー、書籍、舞台衣装のデザイン、映像までと実に幅広く、芸術家としてのダリの活動を俯瞰できる展覧会構成となっています。

美術の教科書で初めて目にしたあのグニャリと歪んだ時計に蟻の群がる絵はよく意味は分からないながらも、私も含め多くの人々にとって忘れがたい記憶として残っているのではないでしょうか。あのような奇想天外ともいえる発想は作者の頭のどこから出てきたのか、一見自己演出過多ともとれるヒゲの両端をピンと立て、ギョロリとした目でこちらを凝視するサルバドール・ダリの創作の秘密を垣間見ることができました。

中でも私が強く心惹かれたのは《奇妙なものたち》という油彩とコラージュの作品。
サイズの大きな絵ではないのですが、星の輝く夜の空間の中に置かれたソファや建物の壁が放つ鮮烈な赤が観るものをとらえて離しません。
描かれた謎だらけの「奇妙なものたち」を眺めながらいつの間にか絵の中の世界へと没入している自分を発見しました。現実ではないどこか異次元へと誘ってくれる、シュルレアリスムを代表する天才ダリの技量に思わず溜め息です。

その他には、映像作品としてディズニーとコラボしたアニメーションも一部ですが上映されており、こちらも二人の天才が互いの力を存分に発揮した素晴らしい作品となっています。必見です。

さらに原爆による広島・長崎、第五福竜丸、福島原発事故など核の脅威にさらされた世界に生きる我々にとって、実に重い主題を突きつけてくる油彩画《ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌》。
人間の愚かしさとグロテスクな欲望をダリはカンヴァスに見事に描き出しています。

さて、鑑賞後はグッズ売り場へ。
巨大な福引きマシンのようなものがお目見えです。
ダリ展 グッズ ピンバッジ 国立新美術館 ガチャ
係りの方に300円を払うと福引き券のようなダリ紙幣と交換してくれ、ハンドルを回すことができます。福引き機(?)の穴からレーンへと転がり落ちてくる白い卵型のカプセルをすかさずキャッチしましょう。中を開けると今回の展示作品をモティーフにしたピンバッジとシールが。
会場限定という言葉の誘惑に負けて3回ほど回してみました。欲しかった「歪んだ時計」が出ました。
ダリ展 グッズ ピンバッジ 国立新美術館 カプセル

そして、《奇妙なものたち》のポストカードも購入。
ダリ展 グッズ ポストカード 奇妙なものたち 国立新美術館


ご興味を抱かれた方は是非。
「ダリ展」公式サイト http://salvador-dali.jp/

TARO T-shirts 入選作 実作 Tシャツ 展示 裏面 岡本太郎記念館
TARO T-shirts 入選作 実作 Tシャツ 展示 岡本太郎記念館
記念館の入口左手のグッズ売場上に展示されております。入選作3枚のうち、拙作は左端のもの。
ご興味を抱かれた方は是非ご覧頂けると嬉しいです。展示期間は9月1日から12日までになります。

そして、岡本太郎記念館では現在、「岡本太郎と沖縄」という企画展が開催中です。TAROの眼がとらえた沖縄の姿が写真や動画を通して生き生きと語られます。以下はその展示の様子です。
岡本太郎記念館 企画展 岡本太郎と沖縄 01
岡本太郎記念館 企画展 岡本太郎と沖縄 03
岡本太郎記念館 企画展 岡本太郎と沖縄 04
岡本太郎記念館 巨大 コップのフチの太陽の塔


ご興味を抱かれた方は是非。

岡本太郎記念館ホームページ
http://www.taro-okamoto.or.jp/

行ってまいりました。
森美術館 宇宙と芸術展 フライヤー

曼荼羅図から竹取物語絵巻、ガリレオの月面観察デッサンから最新の宇宙観まで、我々人間が宇宙というものをどう捉え、どう表現してきたかを芸術という視点から時空を超えて俯瞰することのできる今回の展覧会。質、量ともにとても見応えのある展示でした。

会場内の撮影はカメラのマークが付いた作品についてはOKでした。
撮影OKの隣がNGだったりもして場所によっては多少判断に迷う感じもしました。いっそのこと全て撮影OKにしてくれたら係員の視線を気にしながらカメラを構える変なストレスから解放されたとおもうのですが、まあ、全て撮影NGが通常の日本の美術展からすれば寛大な措置と言えるでしょうか。

さて、前置きはこの辺に致しまして、以下に撮影可能だった作品を紹介しながら会場内の様子について触れていきたいと思います。

入口付近には、曼荼羅図や創造神図など過去において我々が宇宙というものをどう捉えてきたかを象徴する展示が集められています。先人達の宇宙感を理解するということはつまるところ古今東西の神話や宗教の物語をも把握しなくてはならないわけですが、科学的視点で宇宙というものを捉えることに慣れきった我々現代人からすればその捉え方は実に新鮮で、想像力に富み、思わず「なるほど」と頷いてしまう作品が多々ありました。会場を奥へと進むと、ガリレオやレオナルド・ダ・ヴィンチの素描も展示されており、彼等の宇宙観を垣間見ることもできます。

まずは隕石によってつくられた日本刀から。その名も「流星刀」。
森美術館 宇宙と芸術展 流星刀
森美術館 宇宙と芸術展 流星刀 解説


続いてローラン・グラッソによる《過去についてのスタディ》。
森美術館 宇宙と芸術展 ローラン・グラッソ 解説
森美術館 宇宙と芸術展 ローラン・グラッソ 01
森美術館 宇宙と芸術展 ローラン・グラッソ 02
森美術館 宇宙と芸術展 ローラン・グラッソ 03

未来の神殿のようなどこか神秘的かつ荘厳なスーパー・カミオカンデのパネル写真(撮影不可)に目を奪われつつ館内の奥へ進むと、最新の宇宙理論からインスピレーションを得たアート作品が登場します。
森万里子作 《エキピロティック ストリング II》。
森美術館 宇宙と芸術展 森万里子 エキピロティック ストリング
森美術館 宇宙と芸術展 森万里子 解説

以下はビョーン・ダーレムの作品。
森美術館 宇宙と芸術展 ビョーン・ダーレム 解説
森美術館 宇宙と芸術展 ビョーン・ダーレム プラネタリー・ツリー
森美術館 宇宙と芸術展 ビョーン・ダーレム ブラックホール

さらに奥へと進むと、何やらモーターの駆動音と光と影が回転する広い空間が見えてきます。
コンラッド・ショウクロス作 《タイムピース》。
太古の日時計とロボットアームを融合したような不思議な作品でした。
森美術館 宇宙と芸術展 コンラッド・ショウクロス タイムピース
森美術館 宇宙と芸術展 コンラッド・ショウクロス 解説

アイザック・ニュートンの『プリンキピア』。
現代アートを展示する空間の所々にこのような先人達による古典的名著が展示されることで、最新の宇宙論が過去の科学的発見の上に構築されているという知の歴史の重みを実感できます。
森美術館 宇宙と芸術展 ニュートン プリンキピア
森美術館 宇宙と芸術展 ニュートン プリンキピア 解説

ジア・アイリ 《星屑からの隠遁者》。
森美術館 宇宙と芸術展 ジア・アイリ 星屑からの隠遁者
森美術館 宇宙と芸術展 ジア・アイリ 解説

こちらは国立極地研究所の隕石。その隣には地球上から採取された化石が展示されています。マクロとミクロの宇宙を小さな物体を通して体感する瞬間です。
森美術館 宇宙と芸術展 国立極地研究所の隕石
森美術館 宇宙と芸術展 国立極地研究所の隕石 解説
森美術館 宇宙と芸術展 化石 アンモナイト

杉本博司 《石炭紀》。モノクロのパネル写真が我々を太古へと誘います。
森美術館 宇宙と芸術展 杉本博司 石炭紀
森美術館 宇宙と芸術展 杉本博司 石炭紀 解説

その奥へ進むと突如薄暗い不思議な空間へ。
森美術館 宇宙と芸術展 展示風景

ここにも古典的名著が。
ダーウィンの『種の起源』を展示することで、宇宙空間における未来の生物進化がどう進むのかという疑問を鑑賞者に問いかけています。
森美術館 宇宙と芸術展 ダーウィン 種の起源
森美術館 宇宙と芸術展 ダーウィン 種の起源 解説

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日本の土偶もエイリアンに見えなくもないですよね。
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ヴァンサン・フルニエ 《ロボット・クラゲ・ドローン》。美しいです。
森美術館 宇宙と芸術展 ヴァンサン・フルニエ クラゲ ドローン

森美術館 宇宙と芸術展 ヴァンサン・フルニエ 解説

パトリシア・ピッチニーニ 《ザ・ルーキー》。
その「キモ可愛さ」をとくとご堪能あれ。円らな瞳の周りを縁取る睫毛や腕や脚には細かな体毛まで生えていたりと細部まで実にリアルです。その表情にどこか哀切が滲んでいるのは遺伝子操作と進化の成れの果てに辿り着いた生きる悲しみでしょうか。
森美術館 宇宙と芸術展 パトリシア・ピッチニーニ ザ・ルーキー
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森美術館 宇宙と芸術展 パトリシア・ピッチニーニ 解説

円筒形の展示ケースには荒俣宏氏の希少なSF雑誌コレクションが展示されています。
森美術館 宇宙と芸術展 SF雑誌 コレクション 荒俣宏

以下は「うつろ舟」についての複製画です。
1803年に常陸(現在の茨城県)の海岸にUFOに乗った宇宙人が飛来した証拠なのでしょうか?
「うつろ舟」の形が私達のよく知る円盤型のUFOを連想させたり、宇宙人と思しき女性のコスチュームも近未来的で、見れば見るほど謎は深まるばかりです。この女性が宇宙人ではなく我々の遠い子孫の未来人だったとすると、この「うつろ舟」はUFOというよりかはタイムマシンということになりますが……果たして……。
森美術館 宇宙と芸術展 うつろ舟 複製画
森美術館 宇宙と芸術展 うつろ舟 複製画02
森美術館 宇宙と芸術展 うつろ舟 複製画03
森美術館 宇宙と芸術展 うつろ舟 解説

空山基 《セクシーロボット》。
ルーヴル美術館で《ミロのヴィーナス》を初めて観たときも感じたことなのですが、なぜ人は石や金属といったモノ言わぬ物質の形状が人間の肉体を表しているとそこに一種の感情(この場合はエロティシズム)を感じるものなのでしょうか。
女性の理想的なプロポーションを細部まで再現した金属のロボットは人間以上に妖しくセクシーでした。
森美術館 宇宙と芸術展 空山基 セクシーロボット

以下の写真は一見、地球外の惑星をCGで再現したSF映画の一場面のように錯覚しますが、地球上で撮影されたものです。
宇宙と芸術展 ヴァンサン・フルニエ スペース・プロジェクト
宇宙と芸術展 ヴァンサン・フルニエ スペース・プロジェクト 解説

こちらは、アポロ11号任務記録。あの月面に降り立った際のニール・アームストロング船長の有名な言葉もしっかり記録されています。
森美術館 宇宙と芸術展 アポロ11号任務記録
森美術館 宇宙と芸術展 アポロ11号任務記録 解説
森美術館 宇宙と芸術展 アポロ11号任務記録 拡大

トム・サックス 《ザ・クローラー》。今回の展覧会のポスターや図録の表紙にも採用されていますね。
森美術館 宇宙と芸術展 トム・サックス ザ・クローラー
森美術館 宇宙と芸術展 トム・サックス ザ・クローラー 解説

以下はチームラボによる映像インスタレーションです。入口には解説と注意書きが。
宇宙と芸術展 チームラボ インスタレーション 解説
宇宙と芸術展 チームラボ インスタレーション 注意書き

暗幕に仕切られた通路の奥へと進むと、入り口前に立つ係員から「部屋の中央で鑑賞されることをお勧めします」と笑顔で言われ、中に一歩足を踏み入れると床が動いているような錯覚に襲われ、思わずよろけてしまいました。
光のカラスが流星となって宇宙空間を猛スピードで飛翔しています。何とか部屋の中央にたどり着き、腰を下ろし、じっとその空間に佇んでいると、部屋の底が抜け、自分が広大な宇宙空間に投げ出されてしまったような感覚にとらわれます。最初こそ少し目が回りましたが、一度慣れてしまうと、その浮遊感がクセになります。カラス達とともに自らも光の粒子となってどこまでも宇宙を駆け回り、漂っていたい。そんな感動を味わえます。必見です。
森美術館 宇宙と芸術展 チームラボ インスタレーション カラス01
森美術館 宇宙と芸術展 チームラボ インスタレーション カラス02
森美術館 宇宙と芸術展 チームラボ インスタレーション カラス03

チームラボの映像インスタレーションを何度か体験した後、展示室から外に出ると、展覧会もそろそろ終わりに近づいてきました。
以下はネリ・オックスマンによる「宇宙服」。
森美術館 宇宙と芸術展 ネリ・オックスマン カマール
森美術館 宇宙と芸術展 ネリ・オックスマン ズハル
森美術館 宇宙と芸術展 ネリ・オックスマン 解説
どのように着用するのかが傍のモニターに映し出されていました。
森美術館 宇宙と芸術展 ネリ・オックスマン ズハル 着用例

月面探査機、HAKUTOの模型。
森美術館 宇宙と芸術展 HAKUTO 模型
森美術館 宇宙と芸術展 HAKUTO 解説

火星での住居、マーズ・アイス・ハウス。
人類はいつか火星に住む日が来るのでしょうか……。
森美術館 宇宙と芸術展 マーズ・アイス・ハウス 模型
森美術館 宇宙と芸術展 マーズ・アイス・ハウス 解説


展示を観終えた後はグッズ売り場へ。
図録はもちろんのこと、宇宙食を模した菓子類、Tシャツ、文房具、アクリル・キーホルダー、クリアファイルなどの定番のものから、うつろ舟を模したどんぶりやタンブラーのようなセンスの光るアイデアグッズもありました。セクシー・ロボット関連のグッズはTシャツ、ノート、グラス、トートバッグと多く、ファンの方はすべて揃えたくなるかもしれません。


ご興味を抱かれた方は是非。

「宇宙と芸術展」公式サイト
http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/

行ってまいりました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 入口 看板
ファッションにとどまらず様々なプロダクト・デザイナーとして世界的に知られるポール・スミス(Paul Smith)のキャリアの始まりから現在に至るまでの業績を辿ることのできる今回の展覧会。京都会場からの巡回展になります。
入口でチケットを切ってもらうと半券を返されると同時に来場者プレゼントとしてピンク色のイヤホンを手渡されます。これを使用して音声解説を聞いてみてくださいとのこと。
実は会場内の壁の所々にQRコードが設置されており、スマートフォンのバーコード・リーダーをかざすと、
その付近の展示物にちなんだ音声解説を無料で聴くことができます。メイン解説者は俳優の松田翔太氏。若々しくも落ち着いたナレーションで華やかな会場の雰囲気にとても合っていました。
さらに嬉しいことに館内の撮影は自由。展示物が少ないかなと感じつつも、Paulの創作の秘密を体感し、それを心の中に持ち帰ることができる展覧会だと思います。

入口を入ってまず驚くのが、会場の奥にまで続くアート・ウォール(Art Wall)。
これはPaulのオフィスの壁のほんの一部を再現したものだそうです。額装された絵や写真が壁一面に飾られています。そのコレクションは彼が10代の頃からのものだとか。著名な画家や写真家の作品もあれば、ポールのオフィス宛てに届けられた無名のアーティストの絵や写真まで分け隔てなくランダムにレイアウトされた作品群が色彩の洪水のように観る者に迫ってきます。
ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール02


ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール02

ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール01

ポール・スミス展 上野の森美術館 アート・ウォール03
アート・ウォールを抜けると、その先にあるのはポール・スミスが最初に構えた店舗「1号店」を再現した白塗りの小部屋へ。本当に小さなスペースで、窓もなく、「店」というより「房」ですね。ここから世界的なブランドがスタートしたのかと思うと何ともいえない感慨が胸に押し寄せます。室内の壁にはビジネス・パートナーであり奥さんのポーリーンと笑顔で写るポールの写真が展示されています。彼女の存在なくしては今のポールの成功はなかったと彼は言います。今回の展覧会も実は愛するポーリーンに捧げたもの。天才の影にはやはりその存在を輝かせる素晴らしいパートナーがいるものなのですね。
ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示03

ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示02

ポール・スミス展 上野の森美術館 第1号店 展示01
「1号店」を抜けると、その先には現在のロンドン、コヴェントガーデンにあるポールのデザインスタジオを再現した展示が目の前に現れます。
整理整頓とは無縁とも言える雑多なモノで溢れかえるオフィスです。まるでオモチャ箱をひっくり返したような賑やかさ。ポールがよく使う言葉に「アイデアはどんなところからでも生まれてくる」というものがあります。この一見何の脈絡もないモノが乱雑に積み上がったカオス状態の室内ですが、よく観てみると新たなデザインの着想を得るための宝庫であることがわかってきます。ポールが目にしたもの、興味をひかれたもの、それぞれのモノ達が彼の頭の中で溶け合い、化学反応を起こすことで斬新なデザインが生まれてくるわけですね。整理整頓の行きとどいた仕事場だからといって必ずしも素晴らしいデザインが生まれてくるわけではない。むしろその逆もあり得る。仕事の仕方は本当に人それぞれなのだなと実感させてくれる展示です。
ポール・スミス展 上野の森美術館 オフィス アトリエ01

下の写真は「ポールの頭の中」を再現した展示。
壁に複数のモニターと鏡を設置し、頭上のスピーカーからは自らのデザインについて語るポールの声。モニターにはポールが父親からカメラを贈られた11歳の頃から撮り溜めている写真の数々が映し出されます。その鮮やかな色彩が鏡に反射してまるで万華鏡の中に入り込んだような不思議な空間を生み出しています。必見です。
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景02 鏡
ポール・スミス展 上野の森美術館 オフィス アトリエ02

会場の奥にはお馴染みのカラフルなストライプを施した車も展示されていました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 デザイン 車

直筆のデザイン画も一部ですが展示されていました。
ポール・スミス展 上野の森美術館 デザイン画

こちらはポールの最初の「ショールーム」となったパリのホテルのベッドルームを再現した展示。この展覧会に合わせてポール・スミス社が特別に制作したものだそうです。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ベッドルーム

2階に上がると、ポールが服飾だけにとどまることなくコラボレートした様々な製品が展示されています。ポールがコラボを行うかどうかの決め手はお金になるからではなく、面白そうかどうかだそうです。どのデザインもポールらしい色彩と遊び心に溢れています。
ポール・スミス展 上野の森美術館 バイク

こちらはポールのオフィスに届けられた数々の贈り物(?)を展示したもの。
よく観ると三輪車やボディーボードに切手が貼り付けられています。梱包しなくても送料分の切手さえ貼ってあれば配達してくれる海外の郵便サービスに驚きです。その「贈り物」を律儀に保管しているポールのオフィスも驚きですが。
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ バッグ

デヴィッド・ボウイとのコラボ。
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ボウイ LP
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ボウイ Tシャツ

ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ01
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ02
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ02
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ03

ソースのパッケージまであります。
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ソース
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ シャツ

ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ エヴィアン
ポール・スミス展 上野の森美術館 コラボ ラジオ
ポール・スミス展 上野の森美術館 腕時計

腕時計の展示の裏側には世界各国のポール・スミス社の店舗デザインの多様さを比較した展示と、その向かい側には一面ボタンが貼り付けられた壁が。普段見慣れたボタンもアイデアひとつでこのような素晴らしい極彩色のアートになるのですね。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁01
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁02
近づいてみると、やはりボタンです。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ボタンの壁03


会場の最後はポールがパリで行ったファッション・ショーの映像が流され、その向かい側に彼のデザインした服が展示されていました。服はハンガーに吊るされたりマネキンに着せたものがまとめて展示されていたのですが、手前に柵があるために近くで観ることができません。会場のスペースの都合もあるのかもしれませんが、この展示の仕方はもったいない気がしました。それにショーの様子を映したモニターの前に人が立ち止まってしまうために通路が塞がり、通過するのに困難でした。せっかくの展覧会の締めなのですから、もう少し人の動線をしっかり考えた展示をお願いしたいなあと少し残念な気持ちに……。展示物が素敵だっただけに。
ポール・スミス展 上野の森美術館 ファッション
ポール・スミス展 上野の森美術館 展示風景 Good bye
展覧会場の最後には大きな付箋があり、そこにはポールのよく使う言葉である「Everyday is the new beginning.」が記されています。毎日を新鮮な気持ちで生きてこそ、素敵なデザインも自然と生まれてくる。ポールから我々への最後のメッセージ。確かに受け取りました。

ご興味を抱かれた方は是非。

ポール・スミス展公式サイト
http://paulsmith2016.jp

行ってまいりました。
大妖怪展 江戸東京博物館 看板
大妖怪展 江戸東京博物館 チラシ

国宝《辟邪絵 神虫》や重要文化財《土蜘蛛草紙絵巻》、《百鬼夜行図》(8月2日より展示)などの貴重な絵画作品から伊藤若冲《付喪神図》、葛飾北斎や歌川国芳の妖怪画、幽霊画、土偶、果ては現代の「妖怪ウォッチ」まで、「妖怪」をテーマにした展示物が一堂に会した今回の展覧会。

江戸東京博物館が現在、金曜日の夜間は開館していない(7月29日から)ということで、日中の仕事を終えた後に立ち寄ることもできず、梅雨の明けきらない土曜日の日中に観覧に行ってまいりました。

少し嫌な予感はしていたのですが、自動ドアを開いて館内に入ると特別展示室前のチケット売り場は既に長蛇の列。
早々に退散して、3階のチケット売り場へエスカレーターで向かいました。

すると、1階ほどではないですが、3階の売り場もかなりの数の老若男女が並んでいました。
巷に妖怪ブームが来ているということなのでしょうか。
特別展のみを観覧希望の方はインターネットで事前にチケットを購入していくことをお勧めいたします。
(常設展との共通券は館内販売のみ。インターネットでの販売はありませんので注意。)

常設展との共通券を購入すると、エスカレーターで再び1階に戻り、特別展示室へむかいました。
入口前で傘の持ち込みはNGということで番号札を渡され、傘を預けることに。会場の周囲にも施錠式の傘立てはありましたが、ほとんどが既に埋まっていました。
入口左手にある無料のコインロッカー(100円を投入する必要がありますが開錠時には返却されます)に入れなくてはいけないような手荷物は他になかったのでそのまま展示室内へ。

入場までの待ち時間はなかったものの、展示室内は激混みでした。
ガラスケースの前には人だかりができ、それが順路に沿って奥へと蛇行しながら続いています。
展示室内の所々で通路が狭い箇所があるために列が渋滞し、誰もが展示物をじっくり観ようとケースを覗き込んでいるために列はなかなか前に進みません。
展示室を入ってすぐのケースに収められていた葛飾北斎の《天狗図》や伊藤若冲の《付喪神図》の前には人だかりが停滞していてなかなか最前列で観ることができませんでした。
以下の写真はポストカードの伊藤若冲筆《付喪神図》です。江戸時代の絵師とは思えないシュールなタッチですね。若冲はリアルからデフォルメまで様々なタッチで描くことができる天才絵師なのだと改めて感嘆しました。
伊藤若冲「付喪神図」

これではとてもじっくり作品を鑑賞することなど無理と早々に諦め、
今回どうしても観ておきたい2作品、国宝《辟邪絵 神虫》と重文《土蜘蛛草紙絵巻》にターゲットを絞ることにしました。
会場の奥に行くに従って徐々に人垣がまばらとなってきます。他の鑑賞者の迷惑にならないように人垣の合間にすばやくポジションを確保してなんとかこの2作品を観ることができました。
土蜘蛛草紙絵巻辟邪絵 神虫

特に《辟邪絵 神虫》(写真下)のインパクトは絶大で、黒い斑点の浮いた胴から伸びる腕で鬼を捕え、貪り喰う様は実にグロテスクでゾクゾクするほど美しい。大きく裂けた口の周りに煙る血しぶきが何とも生々しいです。

観覧者が渋滞しがちな会場の角に設置されたガラスケースの中に収めらている牛鬼の図も個人的には完成度が高いと感じました。保存状態も良く色彩も鮮やかです。

会場の奥では幽霊画までまとめて観ることができます。
特に円山応挙の幽霊画は不気味さでは一線を画していました。必見です。

会場の出口近くには遮光器土偶を筆頭に異形の土偶達が4体展示され、さらに現代の妖怪としてジバニャンをはじめとする「妖怪ウォッチ」のキャラクター・フィギュアが展示されていました。その脇には各キャラクターが現在のデザインに至るまでの試行錯誤の過程がボツも含めたラフ画によって展示されているのは興味深かったです。とはいえ、これらの展示は今回の展覧会のカラーからするとちょっと蛇足というか無理やりとってつけた「客寄せパンダ」感が否めません。夏休みをひかえて、大人から子供まで楽しめる展覧会を企画したのかもしれませんが、そのスペースがあるならもっと過去の貴重な妖怪画を展示してくれた方が展覧会の締めくくりとしては良い気がしました。現代の妖怪代表ということなら、「妖怪ウォッチ」よりも水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』の原画を展示してくれた方が私としては大興奮なわけですが。

鑑賞後はグッズ売り場にてポストカードの他に図録(カタログ)を購入しました。妖怪のおどろおどろしさとは無縁の赤と白を基調としたスタイリッシュな表紙です。
大妖怪展 図録 カタログ


グッズ売り場にはアメシンの飴細工職人の手による牛鬼と《百鬼夜行図》に登場する妖怪達の飴細工が展示されていました。その見事な出来栄えもお見逃しなく。

ご興味を抱かれた方は是非。

「大妖怪展」公式サイト
http://yo-kai2016.com/

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