行ってまいりました。
メスキータ展_入口_東京ステーションギャラリー

まず驚いたのがギャラリー入口脇のラックに挿してあったフライヤー(チラシ)のデザインが5種類もあり、しかも表と裏に掲載されている作品が全て違うという力の入れよう。
このような点にも一人でも多くの人に展覧会に足を運んでほしいという主催者の意気込みが感じられます。今年2019年はメスキータ没後75年にあたり、日本初の本格的な回顧展となります。

以下がその素晴らしいフライヤー。紙質のざらつきも手に心地よく、印刷も鮮明で黒と白のコントラストがシンプルで美しい。
会場を訪れた際には是非お手にとってご覧ください。
メスキータ展チラシ01
メスキータ展チラシ02
メスキータ展チラシ03
メスキータ展チラシ04
メスキータ展チラシ05

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868~1944)は、あまり日本人には馴染みのない作家だと思いますが、あの騙し絵で有名なM.C.エッシャーが師事し、生涯敬愛してやまなかったグラフィック・アーティストでもありました。ユダヤ人であったためにナチスのゲシュタポにより家族ともども逮捕され、アウシュヴィッツ強制収容所で生涯を閉じることとなります。戦争中、そのアトリエに残されていた膨大な作品群をエッシャーら友人達が必死に守り抜いたことにより今日私達が目にできる素晴らしい作品が失われることなく済みました。
その作品は木版画やエッチング、ドローイング、ペインティングなど多岐にわたります。
今回の展覧会は何といってもそのシンプルかつ繊細な木版画の創り出す黒と白の世界を堪能できる絶好の機会となります。
彫刻刀の作り出す線の強弱によって人物や動植物を実に細部に至るまで巧みに彫り分けていることに驚き、思わず時を忘れて見入ってしまいました。
どの版画も細部を意図的にデフォルメし、日本の浮世絵にも影響を受けていると言われている大胆なレイアウトにより観る者に強い印象を残します。初期のエッシャーの作品がメスキータの影響を受けていることにも納得がいきます。どの作品も一度目にしたらずっと観ていたいほど強烈な魅力を放っているのです。

版画とは別にまるで無意識の世界を描いたようなシュールなドローイング作品もメスキータのもう一つの魅力。向かい合う二人の人物達が印象的な作品が多いのですが、鑑賞者はその表情から様々な物語を想像して楽しむことができます。

会場の最後に以下のような撮影可能ゾーンがあります。
メスキータ展_撮影ポイント

会場を出た先にあるミュージアムショップでは、定番のポストカードに図録、ステッカー、チケットホルダー、トートバッグ、ノートなどのグッズが売られていました。
以下のポストカードを3点購入しました。
メスキータ展_グッズ_ポストカード


最後に東京ステーションギャラリー内の展示室途中にある美しいシャンデリアとステンドグラスもお見逃しなく。
東京ステーションギャラリー_シャンデリア


ご興味を抱かれた方は是非。
メスキータ展公式サイト: