行ってまいりました。

入口脇に設置された看板。
街路樹の影が偶然に落ちて良い雰囲気です。
ガレの庭 展覧会看板

チケットを購入して庭内へ。
あいにく庭園は整備中ということで、美術館観覧料のみ支払いました。
道なりに奥へと歩いて行くと、前方に本館(旧朝香宮邸)が見えてきます。
直線と曲線を巧みに使ったシンプルかつ上品なアール・デコ調のデザイン。
幾何学調の窓枠のデザインにもセンスの良さが光り、
パリ万博をご視察され、アール・デコに触発された朝香宮ご夫妻により建てられた
邸宅の趣きを今に伝えます。
2014年には新館(後述)が併設されました。

東京都庭園美術館 概観

館内は撮影禁止。
撮影が許可される日も一年に一度あるそうです。
外観に劣らず、館内もシンプルかつ上品な装飾が所々に施されています。
正面玄関扉のガラスレリーフや大客室のシャンデリアのデザインは、
《蜻蛉の精》などの作品をはじめ、宝飾・ガラス工芸デザイナーとして名高い
ルネ・ラリックによるもの。
この朝香宮邸そのものがひとつの芸術作品であり、国の重要文化財に指定されています。

いくつもの小部屋に仕切られた邸内にはガレの作品が展示され、
それらは実に自然な形で空間に馴染んでいました。
部屋の窓から射し込む日光の加減によって、ガレの植物や昆虫を模した繊細なガラス細工も
刻一刻と異なる色彩と表情を見せます。

室内にありながら、まさに観覧者は「ガレの庭(宇宙)」に誘われたような、
神秘的な気持ちになるのでした。

やはりガレ自身がイトトンボがお気に入りだったこともあり、
トンボを模した作品はどれも完成度が高いです。
カマキリやセミなど、一見繊細なガラス細工には不似合いのように思われる昆虫達も
芸術家の手にかかると儚い生命の輝きを写し取ったような実に哲学的な美を醸し出すとは
何とも不思議です。

森を駆け巡り、植物や昆虫達の放つ美に心を奪われていた少年ガレの姿が
ガラス細工の向こうにふと垣間見えた気がしました。

本館だけでも充分満足できたのですが、
さらに渡り廊下を通って新館へ。

東京都庭園美術館 新館 外観

少し照明を抑え気味にしたギャラリー内には、
ガラス作品だけではなく、その元になったデザイン画も展示されていました。

その一見奇抜ともいえるデザイン画を目にすると、
実際の立体物として完成したガラス細工がそれらを細部に至るまで忠実に再現していることに
驚きます。
デザインの独自性はもちろんのこと、それを再現できる高い技術力なくしては成し得ない、
まさに匠の仕事であることを改めて実感しました。

邸の外には庭園が広がります。
残念ながら整備中ということで、歩くことができたのは手前まで。
それでも、都内の只中にこれほど静けさに満ちた空間があることに驚きつつ、
すっかり心が静まりました。

東京都庭園美術館 庭園

お土産は新館のミュージアム・ショップで販売されていた展覧会図録。

ガレの庭 展覧会図録 表紙(オモテ)

背表紙が実に洒落ていて、折り返しを広げると「ガレの庭」が現れます。

ガレの庭 展覧会図録 表紙(ウラ)

ご興味を抱かれた方は是非。

「ガレの庭」展 公式サイト
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160116-0410_galle.html

東京都庭園美術館 Webサイト
http://www.teien-art-museum.ne.jp