nakaji art

我が心と身体が捉えた美について

2016年07月

Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案05 playtaro
この度、PLAY TARO(岡本太郎記念財団)主催による「オリジナルTシャツ デザインコンペ」にて、
上記のデザイン案が一次審査を通過致しました。

一次審査のポイントの1つはアクセス数ということでした。
この場をお借りしまして、私のデザイン案をクリックして頂いた皆様に感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。 

さて、二次審査はこのデザイン案に基づいたTシャツを実際に制作し、
さらに1分以内のプレゼン用動画も提出し、
それら2点が審査の対象になるようです。
今回クリック頂いた皆様のご期待にお応えできるように力を尽くしたいと考えております。

ありがとうございました。

PLAY TARO公式サイト
http://playtaro.com

をアップ致しました。

自らが「TARO T-Shirts デザインコンペ」用にデザインしたTシャツを太陽の塔に着てもらいました。
ご興味を抱かれた方はご覧いただけましたら幸いです。



「TARO T-Shirts デザインコンペ」についての詳しい情報は下記サイトへ
http://playtaro.com/

行ってまいりました。
大妖怪展 江戸東京博物館 看板
大妖怪展 江戸東京博物館 チラシ

国宝《辟邪絵 神虫》や重要文化財《土蜘蛛草紙絵巻》、《百鬼夜行図》(8月2日より展示)などの貴重な絵画作品から伊藤若冲《付喪神図》、葛飾北斎や歌川国芳の妖怪画、幽霊画、土偶、果ては現代の「妖怪ウォッチ」まで、「妖怪」をテーマにした展示物が一堂に会した今回の展覧会。

江戸東京博物館が現在、金曜日の夜間は開館していない(7月29日から)ということで、日中の仕事を終えた後に立ち寄ることもできず、梅雨の明けきらない土曜日の日中に観覧に行ってまいりました。

少し嫌な予感はしていたのですが、自動ドアを開いて館内に入ると特別展示室前のチケット売り場は既に長蛇の列。
早々に退散して、3階のチケット売り場へエスカレーターで向かいました。

すると、1階ほどではないですが、3階の売り場もかなりの数の老若男女が並んでいました。
巷に妖怪ブームが来ているということなのでしょうか。
特別展のみを観覧希望の方はインターネットで事前にチケットを購入していくことをお勧めいたします。
(常設展との共通券は館内販売のみ。インターネットでの販売はありませんので注意。)

常設展との共通券を購入すると、エスカレーターで再び1階に戻り、特別展示室へむかいました。
入口前で傘の持ち込みはNGということで番号札を渡され、傘を預けることに。会場の周囲にも施錠式の傘立てはありましたが、ほとんどが既に埋まっていました。
入口左手にある無料のコインロッカー(100円を投入する必要がありますが開錠時には返却されます)に入れなくてはいけないような手荷物は他になかったのでそのまま展示室内へ。

入場までの待ち時間はなかったものの、展示室内は激混みでした。
ガラスケースの前には人だかりができ、それが順路に沿って奥へと蛇行しながら続いています。
展示室内の所々で通路が狭い箇所があるために列が渋滞し、誰もが展示物をじっくり観ようとケースを覗き込んでいるために列はなかなか前に進みません。
展示室を入ってすぐのケースに収められていた葛飾北斎の《天狗図》や伊藤若冲の《付喪神図》の前には人だかりが停滞していてなかなか最前列で観ることができませんでした。
以下の写真はポストカードの伊藤若冲筆《付喪神図》です。江戸時代の絵師とは思えないシュールなタッチですね。若冲はリアルからデフォルメまで様々なタッチで描くことができる天才絵師なのだと改めて感嘆しました。
伊藤若冲「付喪神図」

これではとてもじっくり作品を鑑賞することなど無理と早々に諦め、
今回どうしても観ておきたい2作品、国宝《辟邪絵 神虫》と重文《土蜘蛛草紙絵巻》にターゲットを絞ることにしました。
会場の奥に行くに従って徐々に人垣がまばらとなってきます。他の鑑賞者の迷惑にならないように人垣の合間にすばやくポジションを確保してなんとかこの2作品を観ることができました。
土蜘蛛草紙絵巻辟邪絵 神虫

特に《辟邪絵 神虫》(写真下)のインパクトは絶大で、黒い斑点の浮いた胴から伸びる腕で鬼を捕え、貪り喰う様は実にグロテスクでゾクゾクするほど美しい。大きく裂けた口の周りに煙る血しぶきが何とも生々しいです。

観覧者が渋滞しがちな会場の角に設置されたガラスケースの中に収めらている牛鬼の図も個人的には完成度が高いと感じました。保存状態も良く色彩も鮮やかです。

会場の奥では幽霊画までまとめて観ることができます。
特に円山応挙の幽霊画は不気味さでは一線を画していました。必見です。

会場の出口近くには遮光器土偶を筆頭に異形の土偶達が4体展示され、さらに現代の妖怪としてジバニャンをはじめとする「妖怪ウォッチ」のキャラクター・フィギュアが展示されていました。その脇には各キャラクターが現在のデザインに至るまでの試行錯誤の過程がボツも含めたラフ画によって展示されているのは興味深かったです。とはいえ、これらの展示は今回の展覧会のカラーからするとちょっと蛇足というか無理やりとってつけた「客寄せパンダ」感が否めません。夏休みをひかえて、大人から子供まで楽しめる展覧会を企画したのかもしれませんが、そのスペースがあるならもっと過去の貴重な妖怪画を展示してくれた方が展覧会の締めくくりとしては良い気がしました。現代の妖怪代表ということなら、「妖怪ウォッチ」よりも水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』の原画を展示してくれた方が私としては大興奮なわけですが。

鑑賞後はグッズ売り場にてポストカードの他に図録(カタログ)を購入しました。妖怪のおどろおどろしさとは無縁の赤と白を基調としたスタイリッシュな表紙です。
大妖怪展 図録 カタログ


グッズ売り場にはアメシンの飴細工職人の手による牛鬼と《百鬼夜行図》に登場する妖怪達の飴細工が展示されていました。その見事な出来栄えもお見逃しなく。

ご興味を抱かれた方は是非。

「大妖怪展」公式サイト
http://yo-kai2016.com/

以下はコンペの主催者であるPLAY TAROのサイト上に掲載されている募集要項からの抜粋です。

"PLAY TAROではオリジナルTシャツのデザイン案を募集します。
条件はただひとつ。テーマが「TARO」であること。TARO T-Shirtsの名にふわさしいものであれば、デザイン要素は自由です。
最優秀賞受賞者はオフィシャルグッズのデザイナーに起用され、岡本太郎オリジナルTシャツのデザインを担当する機会が与えられます。
TAROにふさわしいクリエイティブなデザインを期待しています。"

……ということで、以下の5点のデザイン案をメールにて送信いたしました。

Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案01 playtaro
【デザイン案①】
衣服とは本来、人間が体温調節のために身に纏う、あるいは服からすれば身に纏われることを起源とする意思を持たぬ布であるが、時代の変遷と共にその役割から飛躍し、いつしか着る者の個性や生き方を演出する不可欠な道具となった。この「TARO」Tシャツは人間に従属したファッションとしての服に甘んじることを許さない。ただ人に心地よく着られ、消費されることを拒否し、むき出した牙で着こなそうとする者の首、腕、腰に噛みつくのだ。着る者と着られる者が互いにぶつかり合い、鬩ぎ合うことで新たな美が生み出されていくのである。



Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案02 playtaro
【デザイン案②】
シャツのオモテは葛飾北斎《神奈川沖浪裏》とTARO作品との融合。富士が太陽の塔に置き換えられ、原色の波間にTAROの作品群が戯れることで、北斎作が静と動を対比させる一方、動と動を対比させた賑やかな画面構成となっている。左胸のワンポイントともなる飛行船はどこか超然として空を行く。ウラは歌川国芳《国芳もやう正札附現金男 野晒悟助》の作中に描かれた猫骸骨とTAROの《明日の神話》との融合による《猫と金魚の明日の神話》。破壊と死の象徴たる骸骨と炎が猫と金魚というか弱い生物の集合によって形成されている様を楽しんで頂きたい。



Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案03 playtaro
【デザイン案③】
TAROを象徴するものに彼の作品だけではなく「言葉」がある。その時を超えて人々の心をとらえる力強いメッセージをTシャツとしてデザイン化した。オモテは太陽の塔と一体化したTAROとその言葉を、ウラは常にTAROを見守り支える母性の象徴として黒い太陽と化したTOSHIKO(岡本敏子氏)とその言葉をあしらった。二人はいわば表裏一体、一心同体であり、「岡本太郎」という作品の共作者であった。TAROの力強い線をイメージし、あえて荒削りな版画の風合いを出した。着る者を元気にし、芸術としての人生を力強く歩むことを励ますTシャツとなることを願う。



Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案04 playtaro
【デザイン案④】
デザインのテーマは「愛」である。
芸術に命を捧げたTAROの姿は私の中でなぜかゲーテの劇詩『ファウスト』の主人公と重なる。芸術とはある種、悪魔の誘惑の如き背徳的かつ甘美な猛毒である。つまり、TAROはファウストと同様、この世の最高の悦楽(=芸術)と引き換えに悪魔に魂を捧げた人間なのである。芸術という業火に心身を焼き尽くしたTAROはその最期に永遠にして女性的なるもの(=岡本敏子氏)によってようやく永久なる魂の安寧と救済を得たのではあるまいか。現世のあらゆるものを風化させ、粉砕する時の経過に抗う、究極の愛を形にした。



Taro T-Shirts Competition Tシャツ コンペ デザイン案05 playtaro
【デザイン案⑤】
まるで合わせ鏡の世界のように同じ黒いTシャツを着た太陽の塔がどこまでも連なる。このTシャツ内世界には我々が子供の頃に夢見た終わらない夏がある。これを着るあなたも永遠の夏に囚われてしまうかもしれない。そのときはシャツの裏面で睨みをきかせるTAROに助けを請おう。瞬間を生きるTAROには同じ季節をただ繰り返し生きる気などない。「Awake your TARO」とはつまり、あなたの中に眠るTAROを呼び覚まし、今を、この瞬間を精一杯生きよというメッセージだ。TAROの頭の中から這い出す太陽の塔もループする時の呪縛から解放されてどこかホッとしている。


YouTubeのマイ チャンネルでは現在、応募した上記デザイン案の紹介動画を公開しております。
ご興味を抱かれた方はチェックして頂けると嬉しいです。
※動画にはBGMが入っておりますので、再生いただく際は周囲の環境や音量にご注意ください。




7月20日(火)から30日(土)までPLAY TAROのサイト上で一般公開によるアクセス集計が行われ、アクセス数上位の何名かが二次審査に進めるそうです。二次審査ではこのデザイン案を基にしたTシャツを実際に制作して提出するとのこと。


ご興味を抱かれた方は期間中に下記サイトを覗いてみてはいかがでしょうか。

PLAY TARO サイト
http://playtaro.com/

行ってまいりました。
ラピュタ 空飛ぶ機械達展 飛行艇 シティビュー
ジブリの大博覧会 東京シティビュー チラシ

スタジオ・ジブリ30年の歩みを振り返る今回の展覧会。
7月7日の初日にさっそく観覧してまいりました。
入口を入ると、まずはスタジオが制作した数々の名作アニメーションのパネルの展示。
それを抜けると最新作『レッドタートル』の紹介です。
このあたり、鈴木敏夫プロデューサーの宣伝力を感じます。
ただ、最新作の紹介を最初に持ってきたことで、何だかこの展覧会自体が映画公開前の宣伝活動に思えてきて少しがっかりしてしまいました。まあ実際そうなのでしょうが……。
だったら1,800円は少し高いのでは……とは庶民の意見。まあこのチケットで夜景観賞と森美術館にも入館できるのでお得感はあるのですが。

さて、肝心の展示の内容ですが……。
正直に申し上げて「期待はずれ」でした。
まず「大博覧会」と銘打つには展示の内容があまりにお粗末です。
てっきり宮崎駿氏と高畑勲氏の両氏が中心となってスタジオが30年間で培ってきたアニメーションの高度な技術や制作過程を展示・公開するのだろうと期待していたのですが、実際にはアニメーションに関する技術的な解説はほとんどなく、宣伝用のポスターやパネルが雑念と壁に貼られているだけだったり、これまで製造されてきたジブリのキャラクター・グッズを一堂に展示した空間があったりするだけで、映画の企画書や舞台設定などの資料は申し訳程度に一部の壁に貼られているだけでした。宮崎駿氏の描いた美しいポスター用ラフ画も壁に秩序なく貼られた完成品ポスターの中に埋もれてしまい、じっくり楽しむことができません。
展示の仕方にしても、雑多で大雑把な印象が強く、観る側に何を伝えたいのかが判然としません。この点、先に観覧したピクサー展は時代と作品ごとに展示がしっかりとカテゴライズされており、要所要所でスタッフの熱意のこもったアニメ制作に関する解説動画や実験的な短編アニメを上映したりと、来場者に何を伝え、楽しんでもらいたいのかが明確でとても充実した内容でした。
スタジオ・ジブリも多くの方がご存知のとおり高い技術を持ったアニメ・スタジオです。しかし、それを展示という形でいかに観覧者に伝えるかが見えていない気がしました。
ジブリの大博覧会 東京シティビュー 猫バス 六本木
巨大な猫バスのぬいぐるみに抱きついて記念写真を撮ることが「大博覧会」のメインではないはずです。

ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 パネル1
ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 パネル2
ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 パネル3
ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 風車
ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 掘削機械
ご覧の「空飛ぶ機械達展」も、巨大な飛行艇が無数のプロペラを回しながら空に舞い上がる様は『天空の城ラピュタ』のオープニング・アニメが立体化された感動はありますが、上下動するだけの単調なモーションのため、どこか残念な印象を受けてしまいます。
ジブリの大博覧会 ラピュタ 空飛ぶ機械達展 飛行艇2

ライトアップされると飛行艇の下に広がる街のジオラマはとても幻想的で美しいのですが。
DSC_7207

もう少し展示が続くのかと思いきや、唐突に壁に「おわり」の文字が現れ、展示が終了。
うーむ……何とも言えない消化不良な気持ちが拭えませんでした。
それとも、私が今回の展示に求めたものがまるっきり見当はずれなだけなのでしょうか?

たしかにただジブリアニメの世界を楽しむというだけならば、それなりに楽しめる展示だとは思います。
とはいえ……これはあくまで私個人の感想ですので、ご興味を抱かれた方はご自身の目と心でご観覧ください。

展示を観終えた後はグッズ売り場へ移動しました。
下の写真は海洋堂制作の『風の谷のナウシカ』に登場した蛇螻蛄(ヘビケラ)という蟲のフィギュアです。
ジブリの大博覧会 グッズ ヘビケラ フィギュア 海洋堂 外箱
こちらのパッケージは展覧会場限定のイラストとなっています。
ジブリの大博覧会 グッズ ヘビケラ フィギュア 海洋堂1


ご興味を抱かれた方は足を運ばれてはいかがでしょうか。

「ジブリの大博覧会」公式サイト
http://www.roppongihills.com/tcv/jp/ghibli-expo/




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