nakaji art

我が心と身体が捉えた美について

2016年04月

diogenes11
乱入した巨大なハチがカメレオンの舌を毒針でひと突き。
カメレオンはたまらず、今とらえたばかりのディオゲネス先生とバッタを離してしまう。
解放された2人は宙を真っ逆さまに落ちていく。

ディオゲネス先生より今日のコトバ

"愛と平和を叫びながら、人がバンバン撃ち殺されるアクション映画を喜んで観てる。
ヒトって本当に矛盾した生き物ですよね。ヒトは本能的に争うことが好きなのかな?"


行ってまいりました。
没後100年 宮川香山展 サントリー美術館 チラシ

時は明治。新政府が外貨獲得のために新たな輸出品として陶磁器に注目しだした時代。
日本が世界に誇れる工芸品を生み出すにはどうすべきかを追求し、その驚異的とも言える技術と大胆な表現で世界を魅了した一人の陶芸家がいました。その名は、宮川香山。
今回の展覧会では、香山研究の第一人者である田邊哲人氏のコレクションを中心に、世界中から香山の名品が里帰りをしています。宮川香山の初期から晩年までの陶芸家としての歩みを辿ることのできる充実の内容です。

会場の入口を入るとまず目に飛び込んでくるのは、
巨大な二匹の蟹が歪んだ花瓶に折り重なるように張り付いた大作、《高取釉高浮彫蟹花瓶》。
ガラスケースの周りを360度巡りながら目が釘付けに。
立体作品の良いところはあらゆる角度から鑑賞できることですね。
見る角度によってまったく異なる景色が展開します。
こちらは高浮彫と釉下彩を両方用いたとても高度な焼成技術による、
まさに香山の作陶の集大成ともいえる傑作です。
下の写真は図録の表紙に掲載されているものです。
没後100年 宮川香山展 図録 裏

そのあとは、会場の奥へと行くに従って香山の初期作品から高浮彫へと展示が続き、
動植物や幻獣などの緻密な高浮彫に溜め息の連続でした。
ウズラの羽根の質感や枯れた蓮の葉のリアリティ、花瓶の胴部をえぐって熊の親子が戯れる洞穴を表現するなど、その発想の豊かさとそれを支える超絶技巧に唸らされるばかりです。

館内には撮影可能エリアも設けられています。
以下はその写真です。
宮川香山展 会場内 写真撮影可能エリア 01
宮川香山展 会場内 写真撮影可能エリア 02
宮川香山展 会場内 写真撮影可能エリア 03
宮川香山展 会場内 写真撮影可能エリア 04
宮川香山展 会場内 写真撮影可能エリア 05

撮影可能エリアを過ぎると、
香山の生涯と作品を紹介する映像コーナーの脇を通り、磁器の展示室へ。
超絶技巧を駆使した高浮彫の陶器により世界を驚嘆させた香山ですが、
さらなる表現の高みを目指して、磁器の生産にも着手します。
窯の経営を子に譲り、研究開発に没頭することで、新たな美を生み出しました。

それらの中でも私が心を奪われた一品は、《釉下彩紫陽花図花瓶》です。
紫陽花の花弁が透彫りと透明釉により表現されていて、照明の下で美しく照り輝いていました。
花瓶の内側を除くと、外側からの光が花弁の形に透けて見え、高度な焼成技術を垣間見ることができます。

満ち足りた気持ちで会場を後にすると、グッズ売り場へ。
《眠猫覚醒蓋付水指》の猫を使った根付(800円)と図録を購入しました。
没後100年宮川香山展 グッズ 眠猫覚醒蓋付水指 根付
没後100年 宮川香山展 図録 表紙オモテ

ご興味を抱かれた方は是非。

宮川香山展公式サイト
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_1/

生誕300年記念 若冲展 チラシ 表
生誕300年記念 若冲展 チラシ 裏

2016年4月22日から5月24日まで
東京都美術館にて「若冲展」が開催されます。
たった1ヶ月のみの開催期間ですが、
若冲の生誕300年を記念して初期から晩年までの代表作約80点が展示されます。

若冲が京都・相国寺に寄進した《釈迦三尊像》3幅と《動植綵絵》30幅が
東京で一堂に会するのは初のことです。

何とも開催が待ち遠しいのですが、
開期中は凄まじい混雑が予想されます……。
それを思うと気が滅入るのですが、
ここで《動植綵絵》が生まれた背景について
チョコっとまとめてみました。

展覧会をさらにお楽しみいただく一助となれば幸いです。

伊藤若冲と《動植綵絵》
1639年に徳川幕府の鎖国政策が完了し、以後は長崎の出島を通じて中国とオランダの二国のみが海外文化の流入先となった。中国からもたらされた本草学と南蘋画が流行する時代に生を受けた伊藤若冲(1716~1800)は家業よりも禅と絵画にのめり込み、相国寺の禅僧、大典顕常と交友を結び、37歳で若冲居士を号した。京都・錦小路の青物問屋「桝源」の家督を40歳で弟の宗巌に譲り、その後は画業に専念する。若冲の寿蔵に刻まれた大典和尚の碑文によれば、当初は狩野派に弟子入りし、その後、宋元画を模写するが、自らの理想とする絵画には辿り着けないと悟るや、鶏を庭に放し飼いにし、その生態を数年にわたって観察した後に初めて草木や他の鳥、魚や虫を描く術を心得たという。若冲は約10年の歳月をかけて30幅の彩色絹本画である《動植綵絵》を完成させた。そこには驚異的な細密描写と鮮やかな色彩により、動植物の姿が刻銘に描かれている。客観的な写実というよりも、その偏執的ともいえる細部の超絶描写は自らの生涯を捧げて森羅万象を描き出し、後世に遺したいとする若冲の気迫が漲る。南蘋画の影響を受けたであろう余白を排するその画面は息苦しいほどの無数の動植物と色彩に溢れている。

ご興味を抱かれた方は是非。
「生誕300年記念 若冲展」公式サイト
http://jakuchu2016.jp

行ってまいりました。
ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳

ボストン美術館所蔵 わたしの国貞展

ボストン美術館所蔵の歌川国芳・国貞の浮世絵の名品を堪能できる今回の展覧会。
作品の保存状態も良く、浮世絵にそれほど興味を抱かれていない若年層の方でも楽しめるような
「浮世絵」を江戸のポップカルチャーと捉えた展示の工夫が館内の随所に見られました。
漫画好きの方なら、国芳の大胆かつ迫力のある構図と描写力に圧倒されるのではないでしょうか。
対して国貞の描く美人画の表情の豊かさとしぐさの色気に見入ってしまうはずです。

国芳も国貞も少しも色褪せることなく、「新しい」。
当時、海の向こうで行き詰まりを見せていた西洋芸術に革新をもたらし、
印象派を始めとする新たな絵画表現へと導いた浮世絵のエネルギーは今も私たちに新たなインスピレーションを与えてくれます。
まさに温故知新ですね。

私の一番のお気に入りは何と言っても、国芳の『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図』です。
海中から現れ出る鰐鮫の巨大さと迫力、うねる大波の表現、空から舞い降りる烏天狗の躍動感、
しばし時を忘れて鑑賞いたしました。

館内には出口手前に撮影スポットも設けられており(4月18日まで)、
そのエリアに展示されている作品は自由に撮影することができます(フラッシュは不可)。
以下はその作品の一部です。
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真01

「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真02
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真03
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真04
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真05
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真06
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真07
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真08
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真09
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真10
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真11
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真12
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真13
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真14
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真16
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真16
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真18
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真19
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真19
「KUNIYOSHI & KUNISADA  俺たちの国芳 わたしの国貞」 写真20


撮影を終え、満足した後はグッズ売り場へ。

グッズは目についたところでは、
ポストカード、手拭い、ステッカー、クリアファイル、Tシャツなどの定番のものから、
豆皿やミニグラス、湯呑み茶碗、キャンディーまで豊富にありました。
さっそく展覧会カタログ(図録)を購入。
黒い表紙が洒落ています。
「KUNIYOSHI & KUNISADA ボストン美術館 」図録 カタログ

今回の展覧会に合わせた会場限定のガチャガチャもありました。
1回400円なのですが、あの「コップのフチ子さん」で名高い奇譚クラブ制作ということで
早速コインを投じて回してみました。

以下がその「国芳根付」です。
最初にご紹介するのは、「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」の着物の柄を再現した猫骸骨。
猫が寄り集まって骸骨を形作る姿は何ともキモ可愛い。
浮世絵では平面ですが、根付だと見えない背後まで細かく再現されていて面白いです。
どう猫が組み合わさっているのかを手のひらの上で転がして見ながら、
「こんな所にも猫がいる!」と微笑ましくなります。
歌川国芳根付 猫骸骨01

歌川国芳根付 猫骸骨02

歌川国芳根付 猫骸骨03

歌川国芳根付 猫骸骨04


そして、もう一つは「見立東海道五拾三次岡部 猫石の由来」より「踊る猫又」。
こちらも平面を見事に立体として再現しています。
歌川国芳根付 踊る猫又


ご興味を抱かれた方は是非。

展覧会公式サイト
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_kuniyoshi/

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